世界フィギュアスケート国別対抗戦2021観戦記

フィギュアスケート国別対抗戦を現地観戦してきました。

今回は、コロナ禍のためイレギュラーなことだらけだったので、備忘録も兼ねて記録しておきます。

現地観戦まで

コロナ禍のため、スポーツイベントも先行き不透明だったこの1年。

2020年の世界選手権はコロナのため中止されましたが、2021年は、3月22〜28日、ストックホルムにて、バブルシステム&無観客というかたちで行われました。

国別対抗は、 ISUのカレンダーの中にはあったようですが、大々的にアナウンスされてはいませんでした。

いつもだったら早くからチケット先行販売のお知らせが出るんだけどね

私もノーチェックでした。

 

世界選手権が終わって、3月31日に参加選手の発表があり、私はここで国別対抗が、4/15(木)~4/18(日)に大阪で開催されることを知りました。

それもお客さんを入れてやる、と。

ローソンチケットやテレビ朝日HPでのチケットの案内も始まっていました。

 

しかし、この発表と合わせるかのように、大阪では感染者が増加。

4月5日からは「まん延防止等重点措置」の適用となってしまいます。

 

「よりによって大阪で、大丈夫?」

「海外からの入国者には2週間の隔離期間が必要なのに、間に合うのかな」

そんな思いでした。

バブルシステムだから大丈夫らしい

私は国別対抗については反対派です。

個人競技であるフィギュアの団体戦に意義が感じられないし、日本だけで開催ということにお金のにおいがプンプンするし、なによりワールド直後の選手のコンディションがいいわけがない。

基本的に国別対抗はスルーしてきました。

 

しかし、ずっと国際試合を観にいけなくて寂しい……

フィギュアを現地で観たい!

 

そしてなにより、ネイサンが来る!! リーザも来る!!

下手したら、現役のネイサンを観られるのは最後になるかもしれない

 

そうしたらこんな投稿が!

ネイサンが「let’s go to japan」って言ってる〜

 

チケットの発売は4月3〜4日が1次抽選の申し込み。

今回は羽生結弦選手が出場します。

いろいろと迷う気持ちはありましたが、近年、ゆづが出る試合はチケット争奪戦が過酷なので、「そうは言ってもどうせ当たらんし〜」というある種気楽な気持ちでポチりました。

 

すると……

 

7日「おめでとうございます」のメールが!!!

 

今回はさすがにコロナ&大阪で控えた人が多かったのか、ネットを見てもチケットが当たった人が多かったようで、チケットも売り切れてはいませんでした。

 

しかし、日々感染が広がっていく大阪。

ネットを見ても、「こんなご時世に大阪で観客入れてやるなんて非常識だ」という意見が大半です。

 

無観客あるいは中止になる可能性もずっとチラついていました。

日帰りできるスケジュールだったので、新幹線のチケットを取るのは前日まで待ちました。

テレ朝でも大々的にCMしてたし、今回は「やるんだ」というのが既定路線だったみたいね

選手のインスタでも、「日本に来たよ〜」という報告が増えてきました。

参加選手

■日本

男子シングル 羽生結弦、宇野昌磨

女子シングル 紀平梨花、坂本花織

ペア     三浦璃来/木原龍一

アイスダンス 小松原美里/小松原尊

■ロシア

男子シングル ミハイル・コリヤダ、エフゲニー・セメネンコ

女子シングル アンナ・シェルバコワ、エリザベータ・トゥクタミシェワ

ペア     アナスタシヤ・ミーシナ/アレクサンドル・ガリアモフ

アイスダンス ビクトリア・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ

■アメリカ

男子シングル ネイサン・チェン、ジェイソン・ブラウン

女子シングル カレン・チェン、ブレイディー・テネル

ペア     アレクサ・クニエリム/ブランドン・フレイジャー

アイスダンス ケイトリン・ホワイエク/ジャン リュック・ベイカー

■カナダ

男子シングル ナム・ニューエン、ロマン・サドフスキー

女子シングル ガブリエル・デールマン、アリソン・シューマッハ

ペア     ロリー アン・マット/ティエリー・ファーランド

アイスダンス キャロラーヌ・ソシース/シェーン・フィリス

■イタリア

男子シングル マッテオ・リッツォ、ダニエル・グラスル

女子シングル ララ ナキ・ガットマン、ジュネーベラ・ネグレロ

ペア     ニコル・デラ モニカ/マッテオ・グアリゼ

アイスダンス シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファッブリ

■フランス

男子シングル ケビン・エイモズ、アダム・シャオ ヒム ファ

女子シングル レア・セルナ、マイヤ・マザラ

ペア     クレオ・アモン/デニス・ストレカリン

アイスダンス アデリナ・ガリャビュワ/ルイ・トーロン

観戦記

というわけで、チケット販売から2週間で試合当日となりました。

入場の際には、検温、アルコール消毒に加えて靴裏も消毒。

電子チケットオンリーで、転売対策のため厳しくなっている印象です。

席に着くと、観客は定員の半分なので、両隣が空いています。

運営的には大変だと思いますが、チケットを取ってしまえば観戦そのものは楽です。

 

隣に荷物が置けるしね

でもお手洗いはやっぱり長蛇の列…

こんなものも売っていました。

ただ、売店はパンフレットとこのマスクだけで、アイススペースなどの出店はなく、寂しく感じましたが、しかたないですね。

タイムテーブル

この画像はローソンチケットからお借りしたものですが、コロナ対策として、15日と16日はタイムテーブルが少しずつ前倒しになりました。

日帰りの身にはうれしい変更

滑走順

リズムダンス

シニツィナ&カツラポフ

パパシゼの出ていないワールドで初優勝を果たしたシニカツ。

カツラポフにとっては、ソチでの銅メダルからパートナーチェンジを経てやっとたどり着いた頂点です。

地上波では放送されないので生で見るのを楽しみにしていましたが、正直、トップカップルに感じるハッとする感じ、ギリギリのところに挑戦して他を寄せつけない感じは受けませんでした。

トップ選手が出場しているシングルと比べて、ダンスはメンツも寂しかったかな。

ホワベイはいい人たちなので好きだけど、やっぱりアメリカならチョクベイかハベドノが観たかった…

 

RD順位 選手名 RD得点(技術点、演技構成点、減点)
1 ビクトリア・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ(ロシア) 86.66(48.10、38.56)
2 シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ(イタリア) 82.93(46.41、36.52)
3 ケイトリン・ホワイエク/ジャン リュック・ベイカー(米国) 76.79(42.39、34.40)
4 アデリナ・ガリャビュワ/ルイ・トーロン(フランス) 70.34(39.54、30.80)
5 小松原美里/小松原尊(倉敷FSC) 66.42(36.86、29.56)
6 キャロラーヌ・ソシース/シェーン・フィリス(カナダ) 65.06(34.86、30.20)

(以下、順位表は毎日新聞のサイトよりお借りしました)

女子ショートプログラム

ロシアvs日本の戦い。

 

坂本さん

とにかくスピードが半端ない! ジャンプの幅もすばらしい!!

ジャンプをすべて降りていい演技でした!!

 

リーザ

ショートの構成、3A、3Lz-3T、3Fですよ!!

昔は3T-3Tだったのに。

あの15歳がピークでどんどんトップが入れ替わっていくロシア女子において、20歳を過ぎても進化を続け、3Aまで習得し、しかも年々確率が上がっていく!

真の天才少女だと思う

あのスローな入りから3Aとか3A-3Tを跳ぶって、ちょっと常識では考えられません。

あれがエフォートレスに見えないでもない

しかもマダム感あふれるあのスタイルで!

ノーミスでいい演技でした。

現地で見られて幸せ。大好きです。

 

シェルバコワ

細い! 小さい!! 生で見ると、最終グループの中でもひときわ華奢です。

だから17歳になってもコンディションをキープできているんでしょうね。

構成は2A、3F、3Lz-3Loですが、エテリ組らしく、とにかくトランジションが半端ない。

この忙しいプログラムをパーーーフェクトに滑ってみせる。

ロシア女子sの中ではいちばん個性が見えない選手だと思うのですが、この構成をノーミスで滑り切れるのがいちばんの個性なんでしょうね。

81.07でパーソナルベストを更新。

 

紀平さん

コンディションがよくなかったようで、3Aは転倒、その後もベストの出来ではありませんでした。

ワールドは終わっているし、あくまでも目標は来年のオリンピック。

無理はしないでほしいと思います。

 

SP順位 選手名 SP得点(技術点、演技構成点、減点)
1 アンナ・シェルバコワ(ロシア) 81.07(43.51、37.56)
2 エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア) 80.35(45.43、34.92)
3 坂本花織(シスメックス) 77.78(41.94、35.84)
4 紀平梨花(トヨタ自動車) 69.74(35.70、35.04、-1.00)
5 ブレイディー・テネル(米国) 67.40(33.36、34.04)
6 カレン・チェン(米国) 62.48(30.08、33.40、-1.00)
7 ララ ナキ・ガットマン(イタリア) 60.45(31.05、29.40)
8 ジュネーベラ・ネグレロ(イタリア) 59.55(31.23、28.32)
9 アリソン・シューマッハ(カナダ) 59.19(30.31、28.88)
10 ガブリエル・デールマン(カナダ) 57.22(25.86、31.36)
11 マイヤ・マザラ(フランス) 55.31(27.87、27.44)
12 レア・セルナ(フランス) 55.28(28.56、27.72、-1.00)

男子ショートプログラム

マテオ・リッツォくんが、出発前に受けたPCR検査が陽性だったとかで棄権。残念ですが、大会がきちんと運営されているということですね。

 

男子は第1グループからクワドをバンバン跳ぶので、6分間練習から大迫力! これが会場で見る大きな楽しみです。

テレビだとカメラが日本の選手ばかりを映しがちですが、生だと自分の好きなように追えるので、スケーティングの軌道を見ながらあっちこっちチェックするのが忙しくも楽しい。

 

ジェイソン

クワドは入れていませんが、しなやかに全身を使って踊りながらのプログラムが素晴らしい。今日はジャンプがすべて決まったのでよかったです。

 

ゆづ

Let Me Entertain You! コロナ禍で沈んだ日本の鬱屈とした空気を吹き飛ばすようなアップテンポのプログラムです。

冒頭の4Sが素晴らしくて、シュッと跳んでました。薄いカミソリみたい。サルコウってグルンとなるジャンプだと思うんですが、この軽さはすごいですね。

最後の3Aは着地が危うかったのですが、ウインドミルのように上半身をグルンと回してこらえました。これ振り付けでやろうとしてもできないような。

日本でやっていることもあってか、ゆづもリラックスしている感じで、試合というよりエキシビかゆづリサイタルかという感じでした。

会場ノリノリで盛り上がりも最高潮!

 

今回はコロナ対策で演技後の花束やプレゼントの投げ込みが禁止でした。

最近はゆづの演技後のプーシャワーがちょっと常軌を逸していて、次の選手への練習妨害レベルではと感じていたので、演技では盛り上がりつつも試合進行はとどこおりなく行えてよかったのではないかと思います。

 

ネイサン

ワールドで転倒した冒頭の4Lzを4Fに変更してきました。

この4Fが素晴らしかった! シュッと跳んでました。4Fを軽く跳ぶってどれだけすごいんだ〜 ゆづの4Sに続けて世界最高の技を見せてもらいました。

4Lzがなければ失敗する要素がないということで、ノーミスで僅差ですが1位。3Aの前にはイーグルまでつけてました。

あ、お衣装は、チェーンがついていればコスチュームっぽいだろう? どや!? ということでしょうか。

「デスペラード」の映画に倣っているらしいけど、ボレロくらいは重ねてもいいと思うの

 

SP順位 選手名 SP得点(技術点、演技構成点、減点)
1 ネーサン・チェン(米国) 109.65(61.95、47.70)
2 羽生結弦(ANA) 107.12(59.27、47.85)
3 ジェイソン・ブラウン(米国) 94.86(48.31、46.55)
4 ケビン・エイモズ(フランス) 94.69(50.14、44.55)
5 ミハイル・コリヤダ(ロシア) 93.42(49.77、43.65)
6 ロマン・サドフスキー(カナダ) 89.61(48.56、41.05)
7 エフゲニー・セメネンコ(ロシア) 88.86(51.11、37.75)
8 アダム・シャオ ヒム ファ(フランス) 78.28(40.48、37.80)
9 宇野昌磨(トヨタ自動車) 77.46(35.91、42.55、-1.00)
10 ダニエル・グラッスル(イタリア) 67.32(32.67、36.65、-2.00)
11 ナム・ニューエン(カナダ) 66.89(30.64、37.25、-1.00)

観戦を終えて

今回はコロナ対策で声を出しての応援はNGで手拍子&拍手だけでしたが、今回ほど手拍子の力を感じたことはありません。

伝われ〜と思いながら手を叩きました

フィギュアって野球やサッカーのように、競技中に大々的に応援するスポーツではありませんが、やはり応援があるのとないのとでは違うんでしょうね。

無観客だったワールドのあとなので、選手にも手拍子が響いている感じがしました。

 

そして、やはり現地観戦は最高です!

これもいろいろと難しい中で開催してくださった関係者の方々、そしてワールドのあとに日本まで来てくれた選手のおかげです。

今回、選手の間でも観客の間でもクラスターの発生などなく終えることができました。

これがひとつの礎となって、東京オリンピックや北京オリンピックへとつながっていくことを願っています。

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