勝者は誰だったのか? 長洲未来【2016 四大陸選手権】

2010年トリノオリンピックに16歳で初出場して4位になったとき、長洲未来のこれからは輝いているように見えた。初出場でこの順位なら、きっとどんどん上に登り、次はメダルだろう、と。

しかし、その後未来ちゃんは伸び悩む。浅田真央、安藤美姫をはじめとする選手層の厚い日本を避けてアメリカ代表を選択するも、アメリカの中でもなかなかよい順位がとれない。

2014年のソチオリンピックへの出場はかなわなかった。

2017年四大陸選手権女子フリー。

曲はABBAの名曲をサラ・ドーン・ファイナーがカバーした「The Winner Takes It All」。

ABBAは2組の夫婦で構成されていたけれど、2組とも離婚して解散に至った。

「The Winner Takes It All」は、その離婚をモチーフとして生まれた曲ではないかと言われている。

“The Winner Takes It All”とは、「勝者がすべてをさらっていく」。他の女性のところに去った恋人に対して自分の悲しみを切々と訴える曲だ。

未来ちゃんはこの曲について、こんなふうにインタビューで語っている。

「誰しもこんなふうにうちひしがれてしまうことがある。でも、勝者にはなれなくても、前に進まなくてはならないの」

http://web.icenetwork.com/news/2016/07/05/188049996

つらい経験を経て大人になった未来ちゃんだからこそ表現することのできるプログラムた。

この素晴らしいフリーで未来ちゃんは自己ベストを更新!!

でも、1位を獲ることはできなかった。

優勝したのは、16歳の新星、三原舞依。

The Winner Takes It All −−−−だけど、勝つことだけがすべてだろうか?

負けたからこそ、うまくいかない時間があったからこそ培われる輝きがあることを、この演技は教えてくれた。

人生ってそんなに悪くない、そう思える素晴らしい演技をありがとう、未来ちゃん!

タイトルとURLをコピーしました