女子フリーで2選手が200点越え! これはもうオリンピック予選!【2016 世界ジュニア選手権】

世界ジュニア選手権が地上波でゴールデンタイムに生中継されるとは!

しかし、中継されるのは女子フリーだけなので、これはフィギュア推しというよりは本田真凛推しなのだろう。

テレビは真央ちゃんの次のスターを探している。

そしてその期待を裏切らないところがスターのスターたるゆえんなのか。

今シーズンの女子は、ロシアと日本のトップが共に200点を超える、ジュニアとは思えないハイレベルな戦いとなった。

先に演技したのは本田真凛。

真凛ちゃんは手の使い方が本当に素晴らしい。何か人の心をつかむものがある。スケーティングにも伸びがあり、ジャンプもミスのないパーフェクトな演技。日本人で3人目となる200点越えの201.61で、本人も金メダルを確信していた様子。

続いてロシアのザギトワ。ジャンプをすべて後半に固め撃ちした「点を取ります」というプログラム。

よって、前半はステップが中心となる。最近は点を取るためにこういう構成のプログラムは時々あるけれど、普通はやはりジャンプがないと間延びした感じがいなめないものだ。

音楽は「ドン・キホーテ」。

バレエのチュチュのようなボリュームのある真っ赤な衣装に、14歳とは思えない長い手足。これが実に効いていた。

ステップも大きなカーブを使い、手足もバレエ的に大きく使うのでとても見栄えがする。ステップばかりの前半も、えっ、今までまだジャンプ跳んでなかったっけ? と思うくらいの華やかさがあった。

一転して後半はジャンプが続く。

まずは3ルッツ-3ループ!!

これだけジャンプが高難度化した現在でも、ロシアの偉大な先輩スルツカヤをはじめとする選ばれた選手にしかできないルッツ-ループ!! しかも、回転不足がなく加点があるものが見られるなんて(涙)

それからも確実にジャンプを決めていく。加点を引き出すためのタノ(手を上に上げる)多数。

最近は、現女王メドベージョワを筆頭として、加点を得るためにタノジャンプを多用する選手が多いけれど、演技の美しさとしては疑問が残る。手を上げりゃいいってもんじゃないと思う。

しかし、ザギトワのプログラムはバレエをベースとした「ドン・キホーテ」なので、手を上げる動作がすべてハマって見える。

後半になると、正直なところ上半身の振り付けはちょっとおざなりな感じになったけれど、これだけジャンプを決められると文句は言えない気持ちになる。

真凛ちゃんが芸術性について天性のものを持っているとしたら、ザギトワは努力で作ってきた感じがする。

しかし、このプログラムだと、ジャンプのない前半では芸術性に集中すればよく、後半はジャンプの迫力でもっていける。

前半がステップばかりというプログラムのバランスの悪さも、タノジャンプの鼻につく感じも「ドン・キホーテ」という演目でうまく消化してみせた。

これはコーチと振付の作戦勝ち。

200点越えというのは、オリンピックでメダル争いができる点数だ。

日本もロシアもまず国内の代表争いがハードだと思うけれど、二人とも有力な候補だと思う。

そしてどうかどうか、ザギトワちゃんがロシア女子最大の敵=加齢に飲み込まれませんように。15歳ならギリギリ大丈夫かな……

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