[D0 – 5C マツダスタジアム]
僕らはずっと夢見ていたんだ。
このピッチャーはとてもいい球を持っているんだから、制球力さえつけばきっとローテに入れるよ。
この選手はこんなによく打っているんだから、1年を通じてこの調子をキープできればすごい成績を残すはず。
今日もまた肝心なところで固くなって力が出ていない。メンタルさえ強くなれば、もっと上の順位に行けるのに。
みんなチカラはあるのに。それをちゃんと発揮しさえすれば、優勝だってできるのに。
そう思っていても、実際に目の前にいるのは万年5位のチーム。
負けグセの染みついた選手たち。
ここ一番の試合でことごとく負ける。
ガラガラの球場。
それでもずっと夢見てたんだ。いつか来る歓喜の瞬間を。
そして今日。
ふと気づくと、目の前に夢見た強くたくましい選手たちがいた。
僕らを夢の世界へ連れていってくれるチームがいた。
丸がお立ち台で力強く言う。
「僕個人的には明日ここで胴上げがしたいです!」
さあ行こう、夢の舞台へ。