3年ほど前に、母親が認知症で施設に入ることになり、それに伴って実家を売却しました。
実家は築40年の古家でしたので、売却後には取り壊されることになっていました。
しかし、家の中にある家具やモノはあらかじめ処分しておかないといけません。
モノの処分も、業者に頼むと数十万単位でお金がかかります。
ほぼ自分ひとりで片づけをしたのですが、いろいろと大変でした。
そして、今から振り返ると、こうしておけばよかった〜ということがいろいろあります。
ここでは、ストレスを最小限にして実家をスムーズに片づけるための手順についてまとめました。
実家の片づけと引越しや単なる断捨離は似て非なるもの
実家の片づけとは、1軒の家を閉じることです。
この作業は、一見するとふだんの生活の中でする断捨離や、家の引っ越しと同じように感じられるのですが、これらは実は似て非なるものなのです。
現在住んでいる家の片づけ・断捨離における「仕分け」とは、ほとんどの使っているものの中から不要なモノを見つけることです。
引っ越しに伴う「仕分け」もやはり、次の家でも使い続けるモノの中から、わざわざ運ぶまでもない不要なモノを先に分別することです。
また、次の家で同じように使うことが前提になるので、荷造りも部屋別、収納場所別に進めるほうが時間と手間の節約になります。
しかし、家1軒の片づけとは、これらとは真逆のものです。
家にあるモノは基本すべてがゴミになります。
その中から、これからも誰かの家に運んでまでして残すものをピックアップするのが実家片づけにおける「仕分け」になります。
前提が真逆なので、捨てるモノ・残すモノを判断するときに、単なる断捨離や引っ越しと同じような基準でやっていると、とんでもなく時間も労力もかかります。
また、「もったいない」にとらわれるあまり、結局たくさんの不要物がただ誰かの家に移動しただけという結果にもなりかねません。
当たり前のことのようですが、これはやってみるまでわかりませんでした。
実家の片づけを始めるときには、次のことをまず心に留めてください。
・家の中にあるものは基本すべてゴミ
ただ、基本すべてがゴミだとしても、きちんと作業をすれば、たくさんのモノをリサイクルベースに乗せて活かすことができます。
また、ストレスに振り回されることなく、家の整理と同時に自分たちの心も整理することができますよ。
片づけはモノの整理であると同時に気持ちの整理
せっかく実家と向き合う時間なのだから、できるなら懐かしさをかみしめ、感謝とともに作業をしたいですよね。
そのためには、作業そのものにおけるストレスをできるだけ少なくすることが大切です。
作業におけるストレスには、肉体的なものと感情的なものとがあります。
肉体面での大変さに比べると軽く見られがちなのですが、実は片づけでストレスになるのは感情面のほうです。
「なんでこんなにモノをためこんだのよ〜」「そういえばあのときあんなことがあった」という親への感情。
片づけに対する家族間の温度差や協力の度合いの違いもあるでしょう。不用に見えるものを残しておこうとする家族にイライラするかもしれません。
そもそも「何かを決める」ことはそれだけで脳のエネルギーを使うそうです。
たくさんのモノを前にいちいち「残すか・残さないか」「どう処分するか」を判断するのは、自覚できないところで疲れをためることになります。
片づけに丸腰で臨むとストレスをモロに食らってしまいます。
あらかじめ「こんなストレスが来るだろう」と想定して、対処法も用意しておきましょう。
ストレスを軽くしておくと、懐かしさをしみじみと感じる余裕も出てきますよ。
実家片づけの手順
実家片づけの手順は以下のようになります。
ここでのポイントは、マインド的なことを軽視しないことです。
実際に手を動かす前に、作業面・感情面の両方からしっかりと準備をしておきましょう。
・片づけのメンバー・時間などの確認
・モノを処分する基準を確認
・モノの処分方法を確認
2 モノの全体を把握する
・室内だけでなく、庭や倉庫なども含めてどのくらいのモノがあるのかを確認
3 片づけに必要なものを準備する
・ゴミ袋・ガムテープなどの片づけに必要なものを十分に準備する
4 モノを種類別に集める
・部屋別・収納場所別に作業するのはNG
・種類別に作業することで二度手間を防ぐ
5 買取サービスを利用できるものを処分する
・売って利益を得るためではなく、モノをまとめて処分するために買取サービスを利用する
・地域のゴミ出しで捨てるものをできるだけ減らしておく
6 自力で捨てられるものを処分する
・地域のゴミ捨てルールに従ってゴミを捨てる
7 残ったものを業者を通して処分する
・自力では処分できなかったものを、有料で処分する
それぞれの詳細については、別記事で詳しく説明しますね。
まとめ
実家を片づけるとは、一生に一度あるかないかの大きな出来事です。
片づける側にもそれぞれの生活がある中、時間的物理的な制約のある中での作業となりますが、やはり生まれ育った実家というのは特別な場所ですよね。
できる限りの準備をして始めることで、実家の片づけの大変さはあっても、過去を整理しているという手応えを感じながら作業をすることができるでしょう。
実家を片づける中で、懐かしさをかみしめ、片づけを終えた達成感を感じられるように応援しています。