M1☆「広島に優勝(ゆめ)を運ぶ石原慶幸」をかみしめる夜【2016.9.8 vs中日】

[D4 – 7C マツダスタジアム]

今日は朝から広島の街じゅうがそわそわしている。

球場に向かう道すがら、お店の人にも、通りすがりのおじいさまにも声をかけられる。

「よくチケットとれたね」

「応援がんばってね」

「今日決まるといいね」

早くから赤く染まったスタンドも特別なムード。

皆がスマホで巨人×阪神の途中経過をチェックしてるせいか、ネットがつながりにくい。

 

先発はノムスケ。

大きなプレッシャーのかかるマウンドだけれど、ノムスケは甲子園の決勝も、六大学の優勝も経験しているのだから大丈夫なはず!

1回表、前日のヒロインで「ここで胴上げしたい」と言った丸がホームラン! 最近の丸はたのもしい。

2回表に追いつかれたその裏。打順は下位打線に向かう。

まずはセイヤがヒットで出塁。

1軍昇格後ノーヒットにもかかわらず今日スタメンの梵がフォアボールを選ぶ。

9月は月間打率5割という石原が三塁線を破るタイムリー2ベース!

ノムスケはスクイズを2球失敗。しかしそこからセンター前へのタイムリーヒット!! ジエンゴこそがカープのエースの証!

そこからも打線がつながりこの回一挙5点のビッグイニング。スタンドも異様な盛り上がりで選手を後押しする。

今日のノムスケはあまり調子はよくないようで、毎回ピンチを招いてちょくちょく失点するけれど、大崩れはせず5回3失点で踏みとどまる。

早い回に大量リードを奪ったので、観客席はもうお祭りムード。

宮島さんを歌うたびにまわりの人と盛り上がり、阪神の先取点にまた歓声をあげ、未来は希望に満ちていた。

 

それが暗転したのが6回。

2番手として登板した連投の大瀬良が安定しない。ちょうど1年前の打ち込まれたラスト2戦のような雰囲気。

その不安をなんとか振り払おうとスタンドは必死で声援をおくる。

そこで、まさかの坂本逆転3ランの情報。唖然とする観客席。

そして、なんとか悪い流れを食い止めようとする菊池がファールボールを追いかけて、フェンスに激突!

立ち上がれず、担架も出てくる。そんなにひどいの!?

甲子園のショックと菊池のショックでマツダスタジアムは天国から地獄へ。

長い治療ののち、菊池は帰ってきた。本当によかった。ほっとした。

大瀬良は1失点したけれど、なんとかこの回をしのぐ。

 

7回は今村。今村も連投だけれど、彼はキレキレでサクサクと試合の流れを立て直す。

そしてその裏、満塁からエルドレッドの押し出しフォアボールで追加点。

でも、巨人リードのままなので、お客さんは立ち上がる気力もなく座ったままで義務的に宮島さんをこなす。

長年球場に通ってきたけれど、こんなに気持ちの入らない宮島さんは初めてだ。

その後、ジャクソン、中崎の勝ちパターンでつなぎ、試合終了。

試合としては快勝! なのだけど、目の前にあった優勝がするりと逃げていったスタンドはお通夜のよう。

 

そこでお立ち台に登場したのは、石原!

この勝ったのにしょんぼりしたココロに、にこりともしない石原のヒーローインタビューがジャストフィット。

神ってるセイヤでも若きチームリーダーキクマルでも今日は無理だっただろう。

「ほんとに多くのファンのみなさん、いつも声援ありがとうございます。ついにマジックが1となりました。みなさんと優勝の瞬間を分かち合えるように選手も頑張りますので、ファンのみなさんも声援よろしくお願いします!」

初回、ノムスケの投球が安定しないとみるや速攻マウンドへ向かった石原。6回、崩れそうな大瀬良にストレートを要求して2者連続三振に導いた石原。ジョンソンが全幅の信頼を寄せている石原。

 南の夜空に赤く輝くいちばん星 広島に優勝(ゆめ)を運ぶ石原慶幸

今までこの応援歌って石原にはかっこよすぎるんじゃない? と思っていたけれど、その意味がわかりました。

石原、この気持ちを受け止めて!

 

中日に3連勝。順調にマジックを減らしていよいよマジック1。

大量リードを守りきっての勝利!

理想的な展開のはずなのに、今夜は、そう、まるで、去年の最終戦のあとのような気持ち。

大勝してこんな気持ちになるなんて、カープにまた人生の奥深さを教わりました。

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希望を言うならば、明日は巨人に勝ってもらって、あさってからの東京ドームで勝って胴上げしたい!

混じりっけなしの、歓喜の胴上げを!!

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