汗ばむようなお天気の中、カープの優勝パレードが行われた。
続いて、マツダスタジアムにて優勝報告会。
後半は、黒田博樹の引退セレモニーとなった。
黒田からのあいさつがあり、15回胴上げされ、チームメイト一人一人をハイタッチして見送る。
そして、最後、一人残った黒田は、マウンドの横にひざまずく。
たった一人で戦わなければならないピッチャーを、よいときも、悪いときも、いちばん近くで支え続けてきたマウンド。
ここはマツダスタジアムだけど、市民球場でもあり、ドジャースタジアムでもあり、ヤンキースタジアムでもあるのだろう。
黒田はマウンドといったい何を話したのだろう。
このシーンを見て、ソルトレイクシティオリンピックでの男子フィギュアスケート、アレクセイ・ヤグディンを思い出した。
ショートプログラム「ウインター」、フリープログラム「仮面の男」という、オリンピック史上最高のプログラムを最高の演技で終えたヤグディンは、フリーの演技を終えたあと、ひざまずいて氷にキスをした。
最高の結果を残した者だけに許される最高の瞬間。
ところで、
賞賛の気持ちを書いた最後に蛇足かもしれないけれど、私は黒田の背番号15を永久欠番にするのには、個人的には反対だ。
黒田は本当に素晴らしい。
苦しい時代にカープを支えてくれたし、FAのときにもファンのことを大切にしてくれた。
メジャーへの挑戦は素直に応援できたし、そこで素晴らしい結果を出した。それなのに、高額オファーを蹴ってカープに復帰してくれた。
そして、カープを優勝に導く。
その、黒田「個人」のあり方には感謝と賞賛しかないし、その選択は全面的に支持する。
でも、
黒田がいなくなって、ルイス様がその穴を埋め、背番号18をもらって1軍デビューしたマエケンがすくすくと育ってくれたけれど、
2008年からも、本当に本当に苦しかったのだ。
カープという「チーム」にとっては、黒田がいなくなったことは紛れもなくマイナスだったのだ。
黒田がいればもっと早くCS進出していただろう。
黒田本人も言っていたことだけど、カープの優勝に5度貢献した北別府の背番号が永久欠番になっていないのに、自らの意志でチームに穴を開けた期間がある背番号が永久欠番になるのには納得できない。
だって本当に苦しかったのだもの。。。